トラキア776はなぜ難しいのか


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1.システムが極悪。

 もちろん、ゲームのシステムが難しいのである。「トラキア」以外のファイアーエムブレム作品には見られない、独特のシステムがある。

★ 捕縛システム

 「トラキア」は、シリーズで唯一、宝箱や村などから無償で入手できる「タダ金」が存在しない(「お金」の概念のない「外伝」は除く)。何もしなければ所持金はゴールドのままである。お金がなければ武器もアイテムも買えず、強い軍隊は作れない。どこかで調達する必要がある。その調達方法はというと、@アイテムを売るか、A闘技場で稼ぐか、のどちらかである。Aの闘技場は数が少なく、当然強くなければ入っても意味がないし、リスクも高い。そこで、@アイテムを手に入れて売る、ということになってくる。
 このゲームでは、アイテムを手に入れるには、敵ユニットを「捕えて」奪いとる、というのが基本的なやり方である。敵ユニットを捕らえるには、パラメータが下がった状態で相手に襲いかからないといけないので、強い武器とそれなりのパラメータが要求される。しかし、強い武器を入手するためには金か武器が必要であり、パラメータを上げるためにも武器が必要である。つまり、捕縛の作業をつねに行っていないと金も強い武器も手に入らず、章が進むにつれて苦しくなっていく仕組みになっている。

★ 疲労システム

 FEシリーズを遊んでいると、誰もが考えるのが全員を最高レベルにまで上げるとか、好きなユニットだけ育てると言った遊び方である。しかし、「トラキア」のユニットたちには、毎回出撃は至難の業となっている。
 「トラキア」では、だいたい戦闘画面が1回開くごとに「疲労」の値が1ずつ溜まる。疲労が最大HPを超えると、次のマップには出撃できず、強制的に『1回休み』にされてしまう。回避手段としてアイテム『Sドリンク』があるものの、入手手段は限られている。また、杖を使った場合は疲労がもっと溜まるので、もともと最大HPの値が低いプリーストやシスターといったユニットはどうしても1回おきの出場にならざるを得ない。なので、各兵種ごとに必ず『交代役』を考えて運用していかなければならない。

★ 騎兵系ユニット

 騎兵系ユニットは「聖戦の系譜」などと同じように一撃離脱できるため、集団を相手にする場合は注意が必要。また、騎兵系ユニットは乗っているときは捕縛されないので、味方だと有利なことだらけに思えるが、実はペガサスライダー、アクスナイト、ランスナイトなど動物に乗っているユニットはだいたいが馬を降りると装備武器が剣になってしまうので、ときどき馬から降ろして剣の武器レベルを上げておかなければならない。これはかなりめんどくさい作業である。

★ 必殺が出やすい

 必殺率、必殺回避率やダメージの計算方法などは歴代ファイアーエムブレムシリーズでは作品ごとに異なっているが、「トラキア」では全体的に必殺が出やすいつくりになっている。

 例えば、必殺率の基本値は「技の値」である。これは一応それまでの作品と同じである。ちなみに、「トラキア776」の次の作品である「封印の剣」以降の作品では「技の値÷2」が基本値となっている。

 必殺回避率は「幸運÷2」で低めに設定されている。よって実効必殺率は「技−幸運÷2」になるので、ほとんどの場合で実効必殺率は1%以上になる。必殺回避率ゼロの「暗黒竜と光の剣」「外伝」などに比べれば甘いが、その反面必殺の出やすい武器を装備した敵がたくさん出るのでやはり厳しいと言える。ダメージの計算方法は「攻撃力×2」で、「聖戦の系譜」と同じ。敵の攻撃力が高い終盤ほど必殺を喰らったときのリスクは上がる。ちなみに他の作品は「ダメージ×3」で、守備力が高ければ何とかなる。

★ 「絶対」は存在しない

 「トラキア」では命中率の最低値が1%、最高値が99%となっている。つまり、好ましくない結果に終わる確率が必ず1%以上はあるわけで、つねにリスクを考えておく必要がある。

★ 索敵マップが真っ暗

 シリーズで初めて索敵マップが登場したのはこの「トラキア776」だが、始めは地形などまったく見えなかった。マップ上のどこに何があるか、「ワープ」で「たいまつ」持ったユニットを飛ばし、リセットするという方法で確認したものである。ちなみに、増援が暗闇から現れるとパニック状態になっていた…。

★ 初期配置を自由に変えられない

 マップ攻略の趨勢を決める初期配置を自由に変えられない。一応ユニットを出したり引っ込めたりして調節は可能だが、これによって難易度が大幅に違ってくる。特に終章。

2.増援が極悪。

 増援の数が異常に多い。1ターンに出る数も多いが、出るターン数がシリーズの他の作品と比べると桁違いである。総数があまりに多いため、画面に表示できず途中で出現が止まってしまうマップさえある。また、数だけでなく質もすごい。暗闇からペガサスナイトが現れて市民をさらっていくとか、ひたすらにダークマージが現れるとか、心が疲れるマップが多かった。

3.スキルが極悪。

 「聖戦の系譜」で初めて登場したスキルであるが、この内容も厳しいものになっている。例えば、発動条件が「HP半分」だった「まちぶせ」(先制攻撃)と「いかり」(必殺)は、条件が「反撃時に必ず」に変えられた。バーサーカーなどは兵種スキルに「いかり」を持っているので、むやみに襲い掛かるわけにも行かず、非常に危険な存在である。

4.ステータス異常が極悪。

 ほったらかして回復するステータス異常がない。バリエーションも「聖戦の系譜」に比べて「毒」と「石化」が追加された。「スリープ」は幸運、HP、体格以外のパラメータがになる、「毒」はHPが必ず毎ターン1以上減るのでたびたび死にそうになる(HPを1にする「ヘル」を使う敵が多いから。ただし、担げば回避はできる)など、きわめて厳しいものとなっている。回復手段は「レスト」や「どくけし」などが一応あるものの、毎ターン連発されるとね…。

 「石化」は使われる場合自体ほとんどないが、「キア」でしか回復できず、回復できなければ死亡扱い…。

5.地形効果が極悪。

 砦に立っているだけで防御力が+10。ここにアーマー系が立ったら、と懸念してしまうが…。普通にそういうマップがある。城門や玉座も非常に防御、回避効果が高い。さらに終章付近に出る「紫の床」も魔力+10。もちろんそこに魔道士系が立っているのである。

♥ 逆にその他のシリーズと比べると良い点。 ♥

必殺を無効にできるアイテムがある。

 必殺を無効にできる「聖戦士の書」は最大で12枚も手に入れられる。しかも成長率が変わる。

 1人に複数持たせたら全員には行き渡らない。ほんとうに悩ましい。

「きずぐすり」で全快できる。

 ゲームバランスを考えると当然の措置。しかし、もちろん敵も「きずぐすり」を使うのである…。

空振り、回避だけでも経験値を獲得できる。

 これを用いてボス相手に経験値を稼ぐことができる。もちろん次のマップはお休みだが。

でもトラキア776は本当に面白いゲームだと思う。

 「FE」シリーズに駄作、凡作はない。未プレイの人にはぜひともオススメ。


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