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eCloud研究会
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R-0007 サーバー・クラウドとスケールアウト・クラウドは別物
   2009年6月22日 中島丈夫 投稿 23日更新、7/18図更新
 
 

クラウドにはクラウドの経済性やグローバル性などの本質的な特徴がありますが、off-Premises(企業外)であることが前提ではありません。その意味で”プライベート・クラウド”が単なるアウトソースのデータセンターに限る話ではなく、次世代企業データセンターの典型になる可能性も大きいわけです。中島は逆にそれが本命だと考えています。
パブリック対プライベートの区別とは別に、クラウドには次のような2つを区別すべきであるという主張が以前からあります。

”サーバー・クラウドとスケールアウト・クラウドは別物”、NIKKEI COMPUTER 2009.1.15 (原典フォレスター・リサーチ)
 ITProリンクはここ

“There Are Two Types Of Compute Clouds, Server Clouds And Scale-Out Clouds Serve Very Different Customer Needs”,Forrester Research, November 21, 2008


JEANSはこの区別を強く意識しているわけですが、eCloud研究会としてもこの点を訴求したいと思います。原典には著作権があり掲載できませんので、こちらでズバリ図にしてみました。誤解を生む可能性もあります。
中島書き込み
 
 
D-0005 W/Lとしては どう分類すればいいのでしょうか?
   2009年6月23日 匿名希望 投稿


 サーバー・クラウドとスケールアウトですが、W/Lとしては どう分類すればいいのでしょうか?
たとえば大規模W/Lとありますが、RFIDなどセンサーから発信される情報を処理するという意味では
大規模W/Lになり、それはスケールアウト型(IBM iDataPlexとか)が適しているということになるでしょうか。
IBM zのようなシステムはそのデータを受けてDBでぐるぐる というところに限定されていくのでしょうか?

D-0006 本当の需要はサーバー・クラウド型にあると考えています
   2009年6月23日 中島丈夫 投稿


 いいポイントですね。
詳しくは、この話題をいただいて、解説をeCloudの研究レポートの方に書かせていただきます。

 
  ポイントは、
・Stream Computingなど、これからの複合イベント処理などの新しい領域では、データベース構成方法も含めてScale Out志向が当然強い。データベース論も活発になるでしょう。
・一方で、現行のIT投資の70%は現行システムの運用・メンテにあてられている。
・スケールアウト・クラウドのアプリケーション的な拡がりは、現在、5%程度。95%は現行システム。
・お客様のペイン・ポイント、IT世界の3K,4Kの苦渋もこの95%での話し。この面ではテスト・クラウドなどの柔軟な計算機資源のプロビジョニングなどで、サーバー・クラウドへの期待は顕在化している。
・特にSQLなどのデータお作法なども含めた現行企業システムとの互換性の壁は、スケールアウト型にとっては大変大きいチャレンジである。

サーバー・ビジネスのポテンシャルをマーケット分析的にみれば、トランザクション分野の将来は大きくないのですが、インフラをクラウドと捉えて、企業システム・トランスフォーメーションの要に据えれば、サーバー・クラウド型のポテンシャルは大変大きく、小生は本命だと考えています。
いずれにしても、両クラウド論とも、課題はSE側、アプリケーション構築側の技術力にあります。

また、両クラウド間の連携は必須ですから、クラウド・マネージメントやインター・オペラビリティなどの標準化が、JavaやWeb Serviceの過去の例のように当然始まると思います。