クラウド・コンピューティングの議論の見通しを付けるためにR-0008に一般的な構成を描きましたが、ここでは多くの定義やスタンス、および現状と将来の方向性を整理します。R-0009の上図において、少しザックリと区分けしました。
ザックリととした区分けですから無理無理の一表になっているのは否めません。特にプライベート・クラウドなどは、今まさにITベンダーが開発に取り組んでいる対象でしょうから、これからその姿を現すことによって定義のようなものもドンドン変化していくと思われます。
ここで、重要なのは以下の区別ですが、個々の事例が矛盾なくサッパリと分類出来るものではないのも注意が必要です。
例えば、GoogleとAmazonのクラウドを同じスケール・アウトに分類していますが、その中身は大きく違います。ただ対局のサーバー・クラウドと比較した場合にスケールアウトに入るだろうというところです。
① SaaS, PaaS, IaaS などのクラウド・サービスのデリバリー・モデルと、クラウド・プラットフォームとの区別
② クラウド・プラットフォームを構成する方法として、スケールアウト・クラウドとサーバー・クラウドの区別
③ SFDC, Google, Amazon などのパブリック・クラウドと企業内中心のプライベート・クラウドの区別
①の区別は、GoogleやAmazonという現在のクラウド・ベンダーの外観では峻別されていませんが、これから多様なITベンダーやベンチャーが参入する事を考えると、ビジネス・モデルや技術論として大変重要です。一方で、企業内でのプライベート・クラウドを考えると、逆にソフトウェア・アプライアンスとして一括して梱包・隠ぺいされる方向が考えられます。日本IBMのJEANSではこれをenterprise
class Virtual Applianceと定義して企業システムのトランスフォーメーションの方法論として設計しつつあります。eCloud研究会ではこのスタックにフォーカスして論議を進めていきます。
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